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シャネル×ファーフェッチ、「未来のブティック」で顧客ごとのパーソナルな接客を提供

FASHIONSNAP.COM

2020年1月

CHANEL(シャネル)とECサイトFarfetch(ファーフェッチ)が、テクノロジーを活用したプロジェクト「未来のブティック(BoutiqueofTomorrow)」を開始したのをご存知だろうか。

店舗販売を重要視し、ウェアやバッグなど主力商品のEC販売をしてこなかったCHANELが、ECサイトと協業に踏み切った理由は何なのか。今回は未来のブティックについて紹介していこう。


未来のブティックは、パリのCHANEL新旗艦店で2019年5月ごろからテスト導入されているデジタル戦略だ。顧客用アプリと販売員用アプリ、コネクテッドミラーを活用し、顧客ごとのパーソナル接客を目指している。

顧客用アプリでは、店舗に行く前にアプリ上で商品を見てウィッシュリストを作成、店舗でアイテムを探す時間を節約できる。また、CHANELの創設者であるCocoChanel(ココ・シャネル)が住んでいたアパートのバーチャルツアー、コレクションで発表されたアイテムの詳細、ランウェイショーに使用した音楽のプレイリストといったコンテンツを楽しむことも可能だ。

販売員用アプリでは、顧客用アプリのQRコードを読み取ると顧客が作成したウィッシュリストが表示される。販売員は、そのウィッシュリストを元に試着室にアイテムを用意し、顧客の好みを把握した上でおすすめのアイテムも提供できる。

また、このアプリで店内にあるアイテムを、試着室にあるコネクテッドミラーに映すこともできる。顧客がミラーに映し出されたアイテムを実際に試したいかどうかを確認できるため、販売員が店内と試着室を行き来する回数が減り、時間短縮に繋がる。

これは、オンラインと実店舗のそれぞれの利点を結びつけた購買体験の提供を意味する。今回の未来のブティックは、2017年にFarfetchが開始したリテールプラットフォーム「FarfetchStoreoftheFuture」のオペレーティングシステムをCHANEL仕様にカスタマイズしたサービスだ。

未来のブティックのポイントは、あくまでテクノロジーは販売員と顧客とのやり取りをサポートし、ECや他の店舗と異なる購買体験を提供するものであるという点だ。つまり、テクノロジーによる販売員の代替ではない。

ここで重要なのは、ブランド体験である。CHANELのファッションプレジデントを務めるBrunoPavlovsky(ブルーノ・パブロフスキー)は、このサービスを通じて、顧客がさらにCHANELならではの個性的で本物の体験ができることを期待していると述べる。

このテクノロジーが導入は、顧客と販売員との間の言語的・文化的障壁を取り払い、より多くの人に濃密なブランド体験を届けることを可能にする。FarfetchのCEOであるJoseNeves(ジョゼ・ネヴェス)によると、Farfetchは今後、THOMBROWNE(トムブラウン)にも類似のシステムを提供する予定だという。今後、巨大ブティックを抱えるハイブランドから、さらに注目されるサービスとなるだろう。



取り扱いショップ

アイヴァン リュクス 東京ミッドタウン

アイヴァン バーニーズ ニューヨーク銀座

アイヴァン フレッド シーガル 代官山


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