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COACH、バスキアとダウンタウンの街に賛歌を捧げて。【2020-21AW NYコレ速報】
VOGUE
2020年2月

コーチ(COACH)のショーは、NYのサブカルチャーを象徴するブロンディの曲の演奏とともにスタート。クリエイティブ・ディレクターのスチュアート・ヴィヴァースが着目したのは、1980年頃のアートの発信地、NYのダウンタウン。イエローやレッド、ブルーといった原色やパステルカラーをランダムにミックスさせたルックの数々が、ポップアートを連想させる。
今季、コーチはジャン=ミシェル・バスキア財団とコラボレーションし、バスキアのグラフィックをあしらったコートやニット、バッグを発表。バスキアの無邪気な落書きが、コーチのクラフツマンシップに新しい息吹を吹き込んでいる。アート学生の必需品であるポートフォリオを模したバッグや、キューブやトライアングルなど積み木のようなフォルムに象られたバッグは、アートシーンならではのインスピレーション源にあふれ、遊び心も共存する。
足もとは、ダウンタウンの若者らしいフラットシューズやスニーカーで軽快に。コートのレイヤードや素材や色のミックスにも、ジャンルやボーダーを自由に跳び越える彼らのリアルな着こなしが反映されている。また、コーチの伝説的デザイナー、ボニー・カシンが60年代に生み出したマルチストライプが、若々しく再解釈されて登場した。
カイア・ガーバー、アドゥ・アケチ、美佳、そしてブランドアンバサダーの水原希子に加え、今回のコラボを記念して、バスキアの姪にあたるジェシカ・ケリーがランウェイを闊歩。さらに、ショーのフィナーレには、なんとブロンディのデボラ・ハリー本人がサプライズで登場し、会場からは大きな歓声が湧き上がった。ブロンディが隆盛を迎えていた当時、ダウンタウンの街の壁にスプレーペインティングをしていたバスキアも、彼女の曲を耳にしていたと思うと感慨深くなった。
Photos: Gorunway.com Text: Maki Saijo
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