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ADEAMと大坂なおみがコラボ! 「Kawaii」化学反応とは。【2020-21AW NYコレ速報】
VOGUE
2020年2月

2012年のデビュー以来、愛らしいディテール技を打ち出し続けているアディアム(ADEAM)。これまでは、「スポーティー」という言葉を連想することはあまりなかったが、今季は様子が違う。シングルス世界ランキング1位にも輝いたテニスプレイヤー、大坂なおみとコラボレートしたカプセルコレクションを発表し、新境地に挑戦した。全ての始まりは、幼少期よりファッションが大好きでアディアムのフェミニンでウェアラブルな服に魅了された、大坂なおみからのラブコールだったそう。
カプセルコレクションには、パネル状にブラックレースをあしらったホワイトのトップやドレス、ピンストライプのドレスやジャケットなどがランウェイに登場。ちなみに、大坂のお気に入りの一つは、レッドのオフショルダーガウンだという。アスリートとしてテニスコートの上では見ることがない彼女のムードや、好きなものが反映された同コレクション。心も体も健康的でいて、女性であることを謳歌する人にふさわしい服が揃っている。
大坂にとってファッションブランドとのコラボレーションは今回が初めて。多忙なスケジュールのため、WhatsAppを使って遠隔でやりとりし、彼女自ら手書きでスケッチを描き、デザイナーの前田華子がデザインを起こし、一緒にアディアムのアトリエでトワルチェックやフィッティングを行っていたそうだ。「コラボレーションを終えた後、ファッションに対する意識が大きく変わったわ。全てが早いスピードで進み、多くの労力も要することを知ったし、製作に必要な知識を得ることができた。華子とアイデアを共有する時間は、一番楽しい過程だったわ」と、大坂は振り返る。そんな彼女は、フロントロウに座って、ショーを微笑ましく見守っていた。また、いつか自身のブランドを立ち上げたいと思うか尋ねると、「もちろんよ、私のエンドゴールだわ。昔からずっとファッションに興味があったの。日常生活のためのウェアラブルな服を作りたい」と、返ってきた。SNSでも見られるように、ファッションを楽しむ彼女自身のブランド・デビューを待ち望むファンの声も多いはずだ。
今季、デザイナーの前田がインスピレーション源に選んだのは、平安時代に大流行していた貴族の優雅な遊び、蹴鞠だ。蹴鞠を楽しむ貴族たちが着用していた装束を、ボリューミーなシルエットで表現し、トレーンは体を動かすたびに躍動感が際立つ。さらにカラフルな幾何学プリントはよく見ると、伝統的な蹴鞠のような模様が埋め尽くされていることに気づく。
スポーティーな要素を加えたバイクショーツは、両側にフリルがあしらわれ、「Kawaii」があふれている。ほかにも、ヘッドバンドにはパールが散りばめられたり、柔らかなピンクに落とし込まれたりと、ブランドの軸はブレていない。
日本にルーツをもち、世界を舞台に挑戦する大坂なおみと前田華子の2人は、お互いが目指す女性像に共感できたのだろう。今回が初めてとは思えないほど、自然な形で仕上げられていた。
Photos: GoRunway Text: Maki Saijo
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